CWPブログ

2015/07/18

WaterLiteracyOpenForum5 フィールドワーク@野川【AQMAP活用】

執筆者: cwp



東京三鷹市の国際基督教大学にて開催された「Water Literacy Open Forum 5 よしの先生と野川へ行こう」に実行委員として協力させて頂きました。

Water Literacy Open Forum は「Open」という単語入っている事に示されているように、水に関する関心・興味を専門家以外の多くの市民と共有するという趣旨のもの。国際基督教大学名誉教授の吉野先生、同大教授のランガガー先生、水ジャーナリストの橋本さんたちをはじめとした方々によって企画・運営されています。

国際基督教大学内の会場に参加者44名が集まりました。
国際基督教大学内の会場に参加者44名が集まりました。吉野先生による開始の挨拶。

第5回目を数える今回は初のフィールドワーク。国際基督教大学の裏を流れる「野川」へ出かけて水質検査(PACテスト)を実施し、検査結果をAQMAPに投稿してみんなで共有するのです。

【 検査項目 】
・pH
・化学的酸素消費量
・全硬度
・硝酸塩
・リン酸塩
参加者はおばあちゃんとお孫さん、学生さん、ご夫婦 など様々。この様に一般の方々に参加してもらえるのは本当に嬉しく意義深いなあと思いました。

大学から歩いて10分程度で野川に到着。

二枚橋付近で吉野先生によるPAC検査のデモ。皆さん真剣です。
二枚橋付近で吉野先生によるPAC検査のデモ。皆さん真剣です。
PACテスト
PACテスト。

この日は久々の梅雨の晴れ間で、野川公園はもう子供達でごった返していました。野川公園は、川に柵や高い堤防がなく、周囲に広がるなだらかな芝生や木立の公園から誰もが川に近づけるし、川の中に入れる。遊歩道が整備してあったり、河原に散策路があっても「川」に近づけない川が殆どの中、こういった親水公園は貴重ですね。頬が緩んでしまう光景でした。

ただ、、この日は川に入る隙間のないほど。笑 色んな団体が生き物観察をやってたんですね。無数のタモ網が公園内で揺れてました。これだけハンターがいたら、中々採れないだろうなぁ。笑

満員御礼の野川
満員御礼の野川
奥に広がる感じも素敵でしょ。
奥に広がる感じも素敵でしょ。

野川公園内に8箇所の検査ポイントを設定し、それぞれグループ毎にPACテストを実施します。野川は湧水のポイントや、ホタルの保護エリアもあったり変化にも富んでいます。

二枚橋下ポイント
二枚橋下ポイント
水木橋下ポイント
水木橋下ポイント
皆さん、真剣に検査です。
皆さん、真剣に検査です。
ほたる池(観察園内)ポイント
ほたる池(観察園内)ポイント
つげ橋上流ポイント
つげ橋上流ポイント
IMG_1931
このあたりはだいぶ浅い。小さな子供も楽しく遊べます。
IMG_1930
PACテストも順調に進んでいるようですね。
IMG_1961
ガサガサ隊の成果! 濁ってます! 普段の野川は川底は視認できます。
ガサガサ隊御一行様の去った跡。夏草や兵どもが夢の跡。。
ガサガサ隊御一行様の去った跡。夏草や兵どもが夢の跡。。
湧水ポイント
湧水ポイント
湧水ポイント
湧水ポイント

前日までの雨と、高温で蒸し蒸しするコンディション。熱中症が心配されましたが、皆さん元気に無事に検査終了。フィールドビンゴをやって、野川公園の自然に五感を集中させました。

大学に戻って昼食の後、検査結果をAQMAPに投稿し、皆んなで共有です。

AQMAPの画面で今日の検査ポイントを振り返ります。
AQMAPの画面で今日の検査ポイントを振り返ります。

水質検査等のイベントは水質検査そのものが目的となっているケースが多く、データの共有、比較といったフォローがされにくかった様に思います。AQMAPは瞬時に検査結果等を投稿・共有できるため、参加者で検査結果の振り返りを行い、認識・情報を共有できますし、線・面として捉えることもできます。世界中でそれが共有できるのです。

皆さんAQMAPでの振り返りを興味深く見守っていただきました。
皆さんAQMAPでの振り返りを興味深く見守っていただきました。

 

野川での水質検査ポイントを投稿したAQMAP画面
野川での水質検査ポイントを投稿したAQMAP画面
AQMAPでの投稿ポイント画面。
AQMAPでの投稿ポイント画面。

AQMAPでの振り返り後、吉野先生による解説でした。AQMAP画面でもわかる通りすへての検査ポイントでCOD値が6mg/l以上(フラグ赤色)となりました。目で見て想定されたよりも悪い結果です。COD値は生活排水等が大きく影響します。とても綺麗に見えた湧水ポイントでさえCOD値7mg/lでした。

要因としては下記が考えられるとの吉野先生のご説明でした。

・湧水とはいっても街中に湧き出るものであるための影響

・前日まで雨天が続いていた影響

PACテストはあくまで簡易検査なので正確な分析ではありませんが、一定の示唆にはなり得ましょう。

吉野先生の解説に聞き入る皆さん
吉野先生の解説に聞き入る皆さん

日本人にとって、水ほど当たり前に身の回りにあって、あまり気にかけないものもないでしょう。

日本は資源が乏しい国だとよく言いますがとんでもない! 水こそ、水を蓄える森こそ、街へと水を届ける川こそ、資源です。資源は不断の努力で守っていかなければなりません。これからは正に「湯水の如く」使える時代ではないのです。

興味・関心はその第一歩!!

WaterLiteracyOpenForumの取り組みが一人でも多くの人たちに届けばと思います。

 

伊 藤  匠

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