CWPブログ

2014/01/28

土岐川・庄内川流域『ごみと水を考える集い』報告

執筆者: 瀬川貴之 (ウマヲ)

瀬川貴之


1月26日(日)、名古屋市港区野跡の環境省藤前干潟稲永ビジターセンターで、第3回土岐川・庄内川など藤前干潟形成流域の『ごみと水を考える集い』(略称:「集い」)が開催されました。

「集い」には、愛知県、岐阜県、三重県の市民団体等34団体と行政機関7部署の78名が参加。
忙しい中、河村たかし名古屋市長、向井克之河川課長(大村知事のメッセージ代読)、池田善一環境省中部地方環境事務所長、高橋伸輔国交省庄内川河川事務所長が来臨いただき、激励の挨拶をいただきました。
集い報告

一度決めた行政方針をひっくり返した!?〜藤前干潟について

河村市長は、藤前干潟がゴミの埋め立てで使われるという話が行政側で決まっていた時に
愛知県大村知事を巻き込んでストップさせた主体なので、藤前干潟自体に思い入れが深く、
たまに一人来て想いにふけったりするそうな。

本集いの主催者曰く、半分ぐらいは毎年その話をしている、とのことだそうです(笑)
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一応10分ぐらいの時間予定で取っていたそうですが、結局20分ほど話して帰られました
機嫌が良かったのではとの周りの評価(笑)
私自身は初めての話でもあるので非常に面白かったです。やはり一度決めた行政方針をひっくり返すのは非常に力いったでしょうからね。

AQMAPを行政に活かす

当法人ClearWaterProjectも、特別報告として発表の時間を頂き、瀬川より
・漂着ごみを無くしていくために、上流域から下流域、漂着先の場所まで流域全体で状況をグループで把握
・多自然川づくり、小さな自然再生の良い事例、悪い事例共有
・市民協働型での魚道管理
・AIDMA(消費者の心理プロセス)のうち、行政やNPOが苦手とするA(Attenntion 注目)や、I(Interest 興味)部分での新たな広報になること
等、事例などを元に提案発表させて頂きました。

発表資料は下記にアップしています。
http://www.slideshare.net/ClearWaterProject/aqmap3
もし詳細お聞きしたい方がいらっしゃれば、support.jp@clearwaterproject.info 瀬川までご連絡ください。

土砂崩れの危険性が、適正状態より10倍高くなる放置人口林

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(イメージ:Jeff Turner

他発表の中で、個人的にはやはり
「土岐川・庄内川源流森の健康診断」の、9年続けた調査が興味深い。
そもそも、下層植生(森の中で地面に生えている草木)が地表一面を覆っているヒノキ林と比べて、
下層植生がほとんどないヒノキ林では10倍、地表付近に日装飾性がないヒノキ林では4倍細土が移動しているという
研究結果が出ています(岐阜県森林科学研究所パンフ「ヒノキ人工林の表土流亡を防ぐために」より)。

これはつまり土砂崩れの危険性が適正状態より10倍高くなっているといえます。(他研究で20倍の違い等の結果もあるので十数倍レベルですね)

(ちなみに下層植生がないのは陽の光が当たらないためで、人工林がほったらかしで間伐されていないことが要因です。)

そして健康診断では、土岐川流域の29,000haの森が、84%は過密、71%は木が細すぎ、
過密林では草本被覆率20%未満が6割以上。

適性状態より十数倍レベルで土砂崩れの危険性高い地域が6割以上とも言えるかと。

実際、上記は戦後しばらくまでは国産材を使った建築含め様々な用途で利用されていた木が、
輸入や利用用途現象で価値が下がって林業衰退した結果が招いていて、根本解決は林業が復権するよう
国産材の木材利用用途を増やす、または広葉樹に徐々に変えていくという方法になるかと思いますが、
土砂崩れの危険性の高さと共に、
・表土流出でダムにより土が溜まって洪水調整機能が果たせなくなっている(過去ダムが出来て数十年後には洪水発生が多くなった事例もあり)
・粘土の河川流出がヘドロ要因の一因に(これも砂がダムなど途中で補足されバランス悪くなっているため)
→海の2枚貝等底生生物が住めなくなり数が減る→漁獲高減少、水質悪化
といった影響も見逃せません。(というより、本当はこういう総合的な経済効果をもっと研究すべきなんでしょうね)
他も色々興味深い内容がありましたが、発表資料は以下にリンクしておきます。
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[基調報告]土岐川・庄内川源流森の健康診断

[講演]庄内川河川敷の草木からバイオ肥料

[特別報告]
水辺の問題を見える化『AQMAP(アクマップ)』の活用提案

答志島奈佐の浜海岸清掃取組と報告

流域圏の持続可能性とESD

庄内川枇杷島地区堆肥化の取り組み

[活動発表]
伊勢湾ネット紹介

大瀬古町の町の取組

小里川ダム里山教室

名古屋都市河川堀川下流域の 水環境に挑む 水環境改善への一提言

藤前干潟クリーン大作戦

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