CWPブログ

2025/10/07

「森と川と人をつなぐ楽校」 ”おなじ”と”ちがい”

執筆者: 岡本亮太 (たんたん)



今年度の環境学習「森と川と人をつなぐ楽校」の最終回を、10月5日におこないました。

もともと予定していたのは、いつものと川とちがう川と、2つの川に出かけてガサガサしてみて、”おなじ”や”ちがい”を見つけていこうというものでしたが、予定していた川の水量がとても多くて、安全面を第一に考えて、予定を変更しておこないました。

でもテーマは変えずに、おなじとちがい。

午前中は、川でのガサガサ。


そこでつかまえた生き物を、スケッチしてみることを午後、おこないました。

なぜスケッチ??

いつも取れる生き物を、じっくり見つめてみると、いろいろと見えてきます。

おなじ『ドジョウ』なのに、種類によって、ひげの数が、ちがう。
おなじ『さかな』なのに、ひれの場所や、模様がちがう。

などなど。

ちがう、ってことがなんで大事なの?

生き物の面白さが、そこに詰まっているような気がするからです。

私たちがなぜ環境学習をやっているのか。
生き物を通して、自然や環境を守る、良くしていくことに、行動をしてくれる人を増やしたいからです。

じゃあ、どうしたら増やせるのか、を考えると、生き物を知る、ということがとても重要だと考えています。
知らないことは自分の中に入ってこない、と思っています。

私は、知らないものを誰かに勧めるとか、できない。
知っているからこそ、その良さがわかって、人に勧めることができると思っています。

だから、なにごとも経験だと思うし、自分が子ども時代に、自然の中でアレコレしてきた経験があるからこそ、そういう機会を作る事の大切さを身に染みて感じるから、いまこうやって環境学習という場、空間を、みんなで作っていますし、機会をつくる事に注力し、自分なりの想いを心に持っています。

そして自分も、現場に行って、活動する時間を、大切にしたいし、どうにか捻出しようとしています。

スケッチでは、『おとなも本気を出してくださいね』とお伝えしました。
お父さん、お母さんと一緒に、おなじ生き物を見つめて、一緒の時間の中で、お互い描いてみる。
その時間が、いつの日か、思い出となり、環境や地域、生き物に想いが至ると嬉しいです。

ひとり5種類くらい生き物の絵を描いてもらい、そのなかのひとつを選んで、図鑑のように仕上げました。


図鑑なので、学名、和名、日付など、情報を入れて、持って帰って、飾ってもらいたい。


それを見つめることで、色あせない、この日の記憶が残っていき、なんでスケッチしたんだっけ?お父さんやお母さんとやったな、子どもと一緒に描いたな。
この生き物が取れた川は、いまどうなっているのかな・・・

自分たちの図鑑を通して、この日のことを思い出して、想いを馳せてもらえると、うれしいな。
あるいは、違う種類の図鑑をつくるために、ガサガサ行こうぜ!も、うれしいな。

今回のテーマ、おなじとちがい。
生き物はおなじにみえても、ちがう。それは、人間にも言えることだと思っています。

環境学習の全体的テーマとして、生物多様性を掲げました。
だから、生き物を素材にして、それを共有したくて、こういう方法をとってきたのですが、人間の世界だって多様性に溢れていて、互いのちがいを見つけて、認めていけるといいよね、ってやっぱり思います。環境学習のはずが、人生論になってしまう、脱線してしまう私のいけないところですね。

でも、そう考えると、生物多様性ってのが、遠い話ではなくて、近い話題だと捉えられて、ジブンゴトになるような気がしている、、、のは、私だけなのかな。

「森と川と人をつなぐ楽校」は、無事に全5回、天気もよく、走り切りました。
これまでも環境学習は、一杯やってきているけど、楽校!と想いを込めてやったのは、今回が初。

楽しいという時間と記憶が、学びに通じる一番の道だと信じています。
今後も、そんな楽しい時間を生み出すことと、自分自身が楽しむことを忘れずに。そしてそこに、学びのキーワードを散りばめながら、次につながる環境学習を、今後もやっていきたいと思います。

全5回、参加してくれた、関わってくれた皆さんが楽しかったことを願うばかり。
なぜなら、取り組んできた私は、とても楽しかったから。

たくさんの素敵な出会いやご縁にも恵まれました、関わってくれた皆さんに感謝します。
そして、活動にご理解と助成をいただいた公益財団法人河川基金様にも、厚く御礼を申し上げます。

さてと、来年のことを考えようっっと!!

環境学習「森と川と人をつなぐ楽校」は、公益財団法人河川財団の河川基金のご支援をいただいて実施しています。

岡本亮太(たんたん)が書いた記事

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