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2024/08/11

夏休み親子エコツアー実施しました!

執筆者: 岡本亮太 (たんたん)



過日、お伝えしました、こちらのイベントについて、無事に実施しましたので、報告兼ねて、当日の様子を記してまいります。

まずは、本当に暑い中、ご参加下さった皆様、ありがとうございました。そして、無事に全てを終えられたことへのご理解とご協力にも、ありがとうございました。

このツアーは3年目で、今回も、湿原と河川を舞台に、生き物を通して、その地域の環境や生態について、みんなで一緒に考える場として、講師を務めさせていただきました。

ただ単に、イベントやりましたーと書くのもつまらないので、今回のテーマは「止水域と流水域」とでもしてみますね。

止水域:水が常にそこに溜まっている/ほぼ流れが無い場所(例:池、田んぼ)
流水域:常に水の流れがある場所(例:川、用水路)

「湿原」というと、その名のとおり、湿った野原ですよね。
湿原の中にも、水たまりのような、池のような、そんな場所があります。そこには、常に水が溜まっている状態で、しかし、川などとは違って流れが無い状態、そんな場所、つまりは止水域に住んでいる生き物たちがいます。

水生昆虫や、小さな魚たちです。
そうした生き物たちの生態について解説をしたのち、水たまりならどんな場所でも生きていけるのか?みんなの学校のプールに持って行ったら、暮らせるだろうか?
という問いかけをして、大人も含めて、みんなで考えてみます。

「エサが無いから無理!」ー『じゃあエサはあげるよ、エサがあったら生きていける?』
「カエルばっかりになっちゃう気がする」

そんなやり取りを重ねていく中で
『同じ止水域でも、プールとこの湿原の環境の違いはなに?』と聞いてみると

「土がある」
「草が生えている」
「自然の中にある」・・・・・・いろいろと気づいた点を挙げてくれます。

それらが、プールで生きていけない理由と、湿原だから生きていける理由ですね。

水だけがあれば良いのではなくて、土があって、草があって、陸と繋がっていて・・・そうした複合的な環境があってこそ、この湿原の生き物は、この湿原で生きていけているし、世代が続いていく、ということですね。

『じゃあ、みんなの家の周りには、この湿原と同じような環境はあるかな?』

その問いにこそ、この湿原の大切さや、こうした環境を守っていく価値、そんなものが込められていると考えています。

さて、次は、河川での生き物探しです。
河川は、常に水が流れている、流水域です。湿原の止水域との違いも見ていきましょう。

まずは、親子でとにかくガサガサを楽しんでもらいます。
長靴で参加していた人は、最初は長靴に水が入らないようにと過ごしているけど、ある一時を超えると、最強な人達に変身するわけです。
つまりは、長靴の中に水が入って、もうこうなったら少し濡れるも、多く濡れるも一緒だ!と言わんばかりに、どんどん川の色々な所へ出かけていってガサガサをする。あーいい光景でした(笑)

参加者それぞれが採捕した生き物たちをひとつの水槽に入れて”水族館”をつくります。

そうして集まった生き物たちについて、生態を解説した後、流水域ならではの生き物の特徴や環境の重要性をお話しました。加えて話したのは、外来種の話、この日はアメリカザリガニと、オオハンゴンソウ(土手などに咲く黄色い花を咲かせる植物)について。

止水域で見てきた生き物たちと、流水域で採捕した生き物たち。

良いとか悪いとか、そんな話じゃなくて、同じ”水の中に生きる生き物たち”を通して環境を見ると、様々に気づくことがあると思うので、それらをお話させていただきました。

実施サイドとしては、親子が、同じ道を歩いて湿原で気づき、同じ道具を持って水に濡れながら生き物探しに興奮している姿を見るだけで、とても嬉しい思いでした。
長いようで短い、子どもと過ごせる時間の中で、同じように、汗水流して、それぞれが気づいて、学んで、一緒に語り合うという時間は、とても良いものなんじゃないかなーって。

愛知県には、まだまだ面白い、そして残していきたい、目や意識を向けていきたい自然環境が残っています。知らなければ知らないまま生きていけるかもしれないけれど、でも、つながっているんです、自分に、自分の暮らしに。

湿原に生きる生き物たちは、同じ止水域である田んぼにはいない。
なぜ?
田んぼには農薬をまくから、生き物が死んじゃう。その農薬ってなんのため?---お米を育てるため。じゃあお米ってだれのため???

つながっているんです、自分に。自分の暮らしに。次の世代に。

1年に1回しか夏は来ない。
人生が80年なのだとしたら、その80分の1の夏の時間の中の、さらに何分の1かわからない「湿原と河川での時」が、皆さんの思い出となり、感じたことや気づいたことを、どうか心や頭に残して、過ごしていってもらえると幸いです。

岡本亮太(たんたん)が書いた記事

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