CWPブログ

2023/11/03

滋賀県愛知川 渋川にて市民で魚道を造る!2023年

執筆者: 瀬川貴之 (ウマヲ)



2023年10月21日(土)、3年目の魚道作りがやってきました!
滋賀県にある 愛知川漁業協同組合( 以下愛知川漁協)管轄の渋川にて、簡易魚道造造りです。
簡易といっても、2.5mの堰堤に対してなので、大勢人数必要で、今年は事前準備日合わせて延べ70人強に協力頂きました!!

2021年、見試しということで、三方良し基金により滋賀県東近江SIB(ソーシャルインパクトボンド)を活用し、簡易魚道を造り、改良を加えた2年目の2022年には魚道作った次の日にはビワマスが堰堤上に遡上しました!さらに上流側でも30以上の産卵床を確認し、魚道なければ存在しなかったビワマス稚魚が今年春には堰堤上の川にも泳いでる姿を見て、ビワマスの生息域が広がったことを実証出来ました。

3年目の今年は、設置もこなれて、事前準備したのはありますが、午前中には完成!ご協力頂いた皆様、ありがとうございました!!!

以下当日の雰囲気です。

初めての方も大勢いるので、専門家の話も含めて渋川やビワマスのことを知ってもらいます。



動画で少し現地の雰囲気もわかりますかね。
最初の導水のタイミングです!
魚道の入り口。その後少し修正加えているので、ちょっと写真と異なっていますが。


今年も、設置後3日目に、堰堤上にビワマスのペアが遡上している状態が確認できました!!
十分実績出来て価値が見えたので、是非滋賀県にも恒久的な魚道設置をお願いしたいです(関係する市・県・議員の方にも参加頂いたり視察頂いたりしていて、価値も感じてもらえているかな)。

堰堤上流には一つキャンプ場もあり、魚道が常設されれば、ビワマスだけでなく鮎も遡上出来るので、生息域が広がり生態系が豊かになるので、是非設置してもらいたいところ(堰堤を削っていい形にするとか他手段でもいいとは思いますが)。

ちなみに、2022年の産卵床調査データを元に、ビワマスだけでの経済効果を試算してみました。
実際、鮎やキャンプ場等への影響もあり、3.4億円以上の価値は十分あり、魚道作りで数千万円使う価値十分あると考えてます。


ビワマスのみで試算========
簡易魚道出来て、生物研究者による確認で上流部600mに産卵床22床確認できており、2.8万粒と推定されてる。ここでは計算簡易化のため約3万粒とする。
成魚までの生き残り率2% として、600匹/年。
ビワマス水産物価値としたら、販売単価3000円/匹×600匹=180万円(湖に下ったものを獲る前提)
常設魚道の資産価値は50年間の固定資産償却と考えると9000万円(設置費用と何かしらのメンテナンス費用)。

そのビワマスに対し、釣り人が1釣行2匹とすると、300回。
一人平均3回とすると100人分のキャパアップ。
100人が年間2万円分釣具を購入すると、200万円。
資産価値50年を前提とすると、1億円。

さらに、釣りに来る交通費や食事などで1回平均1万円とすると、300回で300万円。
同様に50年で1.5億円。

魚道作ると、年間680万円。
50年間で3.4億円の経済価値。
========




最後に。ビワマスのペアがいるの、わかりますかね?当日の様子です。
川底の石の色が白く明るくなってますが、産卵のために掘り起こすので、苔などが流れてきれいになるのです。
その場所は産卵している可能性が高いので、次の年により多くのビワマスに出会いたいなら、踏まない、荒らさないようにお願いします。

瀬川貴之(ウマヲ)が書いた記事

滋賀県愛知川 渋川の簡易魚道撤去日2023年(2024年2月17日)24/02/18

2023年10月21日(土)、3年目の簡易魚道作りを実施し、今年も見事ビワマスが遡上、堰堤上流側に卵を産みました(産卵床は前年とほぼ同様の26床確認)。そのさらに上流のメンテされず詰まって流れていな...

SDGs
イベント
つりチケ
多自然川づくり
小さな自然再生

滋賀県愛知川 渋川にて市民で魚道を造る!2023年23/11/03

2023年10月21日(土)、3年目の魚道作りがやってきました!滋賀県にある 愛知川漁業協同組合( 以下愛知川漁協)管轄の渋川にて、簡易魚道造造りです。簡易といっても、2.5mの堰堤に対してなので、...

つりチケ
多自然川づくり
小さな自然再生
流域連携
環境CDN

滋賀県愛知川 渋川にて市民で魚道を造る!2022年22/10/19

2022年10月16日(日)、滋賀県にある 愛知川漁業協同組合( 以下愛知川漁協)管轄の渋川にて、簡易手作り魚道を造ってきました 昨年、見試しということで、三方良し基金により滋賀県東近江SIB...

SDGs
つりチケ
小さな自然再生
環境CDN

川釣り(=内水面の釣り)に関し、内水面活性化提言活動を開始しました22/09/09

電子遊漁券販売プラットフォーム「つりチケ」の営業を通して、全国約800強ある内水面漁業協同組合(以下、内水面漁協)に、のべ1000回以上訪問してきた中で、川(=内水面)の釣り環境や、水産資源管理主体...

つりチケ
小さな自然再生
行政施策
その他

蒲郡市小学校で環境チャレンジ(学習)22/05/17

本日、蒲郡市で小学校4年生対象に実施している「環境チャレンジ」に講師として参加しました。講師と言っても、フィールド観察のお手伝いみたいなものですが。 最初は座学で三河湾の竹島周辺で捕まえられる...

SDGs
イベント
環境CDN

滋賀県愛知川 渋川にて市民で魚道を造る!その221/11/30

本日は滋賀県愛知川漁協管轄の渋川に、魚道作りパート2行ってきました。前回からの続きで、上流側の川から水を受ける部分を作るのと、魚道となるU字溝を繋げるための単管設置して、繋げて、折り返し地点用意して...

つりチケ
小さな自然再生
環境CDN

滋賀県愛知川 渋川にて市民で魚道を造る!その121/11/07

本日、滋賀県にある 愛知川漁業協同組合( 以下愛知川漁協)管轄の渋川にて、魚道の見試し活動に行ってきました。 元々の始まりは、愛知川漁協の村山組合長が、つりチケを導入してくれたところからの関...

つりチケ
小さな自然再生
環境CDN

Youtubeで川に関して24時間ライブをしてみた【機器編】18/11/14

2018年10月27日土曜日、愛知県岡崎市にある菅生神社にて、とある前代未聞のイベントが実施された。 イベント内容は、川について語りつくす。 イベント時間は 10月27日12時から、10月28日1...

イベント

東三河海岸漂着物学習セミナー15/11/08

今日は、カワサポ登録団体である「生き物探検部」の宮田氏と共に、蒲郡市の海岸で愛知県東三河漂着物学習セミナーでした。これまで晴天続きだったのに、なぜか今日から天気は下り坂。 生憎の天気となりました...

環境CDN

木曽三川流域での「生態系ネットワーク」の形成を目指す、「木曽三川流域生態系ネットワーク推進協議会」15/02/01

CWP瀬川です。 2015/1/29に、木曽三川流域生態系ネットワーク推進協議会 の会議機関である 「木曽三川流域生態系ネットワーク協働による推進手法検討会議」の委員として参加させて頂きました。 ...

環境CDN