CWPブログ

2013/09/28

シリコンバレー Yコンビネーターに学ぶ非営利会社の起業

執筆者: cwp



こんにちは、ClearWaterProject 田中です。 今日はちょっと毛色の違う話です。

私達ClearWaterProject は非営利会社ではあるものの、やらなければいけないことは普通に起業しているのとほぼ変わりません。

世界でベンチャー企業が最も多数成功しているのは、シリコンバレーでしょう。 その中でも、ベンチャー企業を育成する会社として最も有名なYコンビネーター に照らし合わせて、非営利会社の起業について考えてみます。

【Yコンビネーターのケース】
まず、Yコンビネーター(http://ycombinator.com/、以下YCと略)について、簡単に説明です。

YCは誕生したばかりのベンチャー企業(以下スタートアップ)に対し、以下を行っています。
■多数のスタートアップに同時に投資を行う
■3か月のブートキャンプをシリコンバレーで行う
■ブートキャンプ最後、成果を披露するデモデーに多数のベンチャーキャピタルを集める

それぞれの特徴はこんな感じです。
■多数のスタートアップに同時に投資を行う
⇒日本でも、これはアメリカでもそうですが、普通のベンチャーキャピタルは 「ユーザー数が増加しだした」「売上が伸びだした」を見て、投資判断を行います。
しかし、やってみればわかりますが、「ユーザー数/売上が伸び始めるまで」が 最も厳しく、多くの会社がこの段階(スタートアップ時期)でつまづいているはずです。
つまり、起業した側からすると、スタートアップ時期にこそ支援して欲しいのです。 YCでは、ベンチャーキャピタルではリスクがありすぎて実行することが難しいスタートアップ時期の支援を、
「多数に少額の同時投資(2011年夏には一度に64社!)」「厳しい応募者選別」
でリスクを軽減することで行っています。

■3か月のブートキャンプをシリコンバレーで行う
⇒これが非常に重要で、「1.事業面でのサポート」「2.資金調達面でのサポート」を3か月の間、シリコンバレーに各スタートアップを住まわせて実施します。 起業の成功率を高めるためには確実に両方が必要です。

■ブートキャンプ最後、成果を披露するデモデーに多数のベンチャーキャピタルを集める
⇒YC自体も2万ドル以内の少額の出資(見返りに7%の株式)をするものの、 規模が拡大すると不足します。
3か月のブートキャンプの最後に次のステージに必要な資金を調達するため、多数のベンチャーキャピタルを集め、サービスのデモを実施する機会があります。

ちなみにYC出身の企業で、日本で最も馴染みがあるのはDropbox(https://www.dropbox.com/)だと思います。
私達も使わせて頂いております(^^;

【非営利会社の起業ケース】
※非営利会社よりも、社会企業と表現した方が理解がされやすいかもしれませんが、 若干気になる点があるので、非営利会社としています。

さて、非営利会社のケースです。 ClearWaterProjectも非営利会社です。しかし、非営利会社と言っても、株主に配当を出さなくてよいだけで、人件費含め会社運営を継続していくための収入は必要です。

非営利だろうが営利だろうが、きちんと社員に給料を支払い、フルタイムで安定した状態で働けないと、会社理念を達成するための品質の良いサービスは出来るはずがないからです。

営利のケース同様、スタートアップ時には、
「1.事業面でのサポート」「2.資金調達面でのサポート」
があればリスクは軽減されます。

「2.資金調達面でのサポート」については、現在はかなり受けやすくなっているのではないかと思います。
昔ながらの助成金に加え、
■クラウドファンディング(例:READYFOR?CAMPFIRE)
■市民ファンド(例:あいちコミュニティ財団)
など、調達の選択肢が増えています。
これらの短期的な資金をスタートアップ時に生かし、長期的には事業収入で運営を継続できるようにしていきます。(実際は言葉で書くほどうまくいかないですが・・・)

問題は「1.事業面でのサポート」だと思います。 起業前に学校の授業形式で学ぶ場はいくつか見当たります。
http://socialvalue.jp/
http://www.etic.or.jp/svip/

ですが、欲しいのは実際に起業後、事業が安定軌道にのるまでのスタートアップ時のサポートだと感じます。
例えば、「作ったサービスを広めるうえで会うべきキーパーソンにつないでくれる」 「自分達とは異なる客観的な視線でサービスを見て、アドバイスをくれる」 などを起業後にサポートしてもらえるとかなりありがたいです。

YCなんかはまさにそうで、主席アーキテクトのポールグレアムなどが、稼働中のサービスに適切なアドバイスをし、人をつなぐということをやってくれるようです。

このようなことを考えると、今ClearWaterProjectが支援をうけているサスプログラムもかなり素晴らしい取組だと感じます。 まさにスタートアップ時期の私達に、上記のような事業面サポートを実施してくれています。 しかも、東京ではなく名古屋で、というのが面白いです。

もう一つYCの良さとして、YC卒業生がIPO(株式公開)や、大企業に自社を売却した後に、YCのパートナー(相談相手)として戻ってきて、YCの受け入れ規模の拡大に合わせて運営側も拡大するという、素晴らしいサイクルが出来上がっています。

サスプログラムでいうと、正式に始まったのは今年ですので、 初回の私達がきちんと事業を軌道にのせ、いずれは運営側として参加出来るようなことが出来れば同じサイクルを作ることが出来ます。 頑張りましょう。

「1.事業面でのサポート」「2.資金調達面でのサポート」 を非営利会社でも受けやすい環境が整い、多くの方がチャレンジ出来るようになると面白くなると思うのですが。 人口が右肩下がりで税収が減少することから、行政をサポートする、 もしくは営利に囚われすぎずに活動出来る非営利会社は今後の社会のキーとなるはずです。

以上です。
あ、最後に。起業起業と何度も書いてしまいますが、もちろん起業したのは私ではなく代表の瀬川さんですので!(^^;

 

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