2015/07/26
愛知県豊田市扶桑町を流れる矢作川支流の岩本川で、近隣の子どもたちを中心とした「岩本川探検隊」初の探検が行なわれました! 関係者の心掛けが良過ぎる(?)こともあり、真っ晴れ!! 天気予報も最高気温36度の猛暑日予想です。
「岩本川探検隊」は浚渫後の岩本川を地元住民が自分たちの手で再生・多自然化する「小さな自然再生」の一環であるため、地元自治会の皆様の全面協力で実施されるのです!
自治会の皆様、手慣れているとはいえ、我々など立ち入る隙のない段取りと連携。脱帽です。皆様のご助力で探検隊の子どもたちを受け入れる準備が整いました。ありがどうございます!
親子を中心とした凡そ30名の皆さんにお申込み頂きました。皆さん、準備万端のようですね!
受付で「名札」のかわりになるテープに名前書いてもらいます。我々も子どもたちにとって知らないオジさんではいけないし、スタッフも参加者の子どもではいけない。誰だってちゃんと名前で呼ばれたいですからね。
親も子どもも運営スタッフも自治会の皆様にも名前を書いて貼ってもらいました。
そして探検隊というからには「隊長」が必要です。隊員に号令をかけ、導いてくれる頼れる隊長が。
そこで、地元の小野内様に隊長になって頂きました。ボーイスカウトの隊長をされている為、野外活動について万事心得られており、探検隊の正に要として大変心強い存在です。用意すべき救急用具など適切なアドバイスを頂きました。
そして探検で獲れた生き物について子どもたち好奇心に応えるため「博士」もいるんです! 矢作川研究所の研究員、山本様に博士をお願いしました。川の生き物について何でも知っている博士です。
隊長と博士、そして隊員。
さあ、岩本川を探検だっ!!
最初は持参してもらったペットボトルで作った魚獲り仕掛けを、先行して浚渫が行われた付近に仕掛けに行きます。うだるような暑さでも、隊員たちは元気いっばい。
ここからは隊長チームと博士チームに分かれて移動。隊長チームは白、博士チームは黄色の名札です。
隊長チームは上流の堰堤下ポイント、博士チームは樋門下ポイントです。各ポイントの雰囲気の違いや獲れる生き物の違いを感じもらえるといいなー。
浚渫対象区間の岩本川を地図上で見るとこんな感じ▼。フラグが立っている区間が浚渫対象です。イメージ掴めますか?
AQMAP(アクマップ)にて岩本川の状況が多数確認できるんです。先行して実施された浚渫区間の工事前後の様子もみられます。
隊長チームは浚渫対象区間の最上流部の堰堤下。
恐らく対象区間内で最も水深が深い所。大人の腰上ぐらいかな。なので、年上の隊員で編成されているんです。
隊長のアドバイスを受けながら、最初は見よう見真似、おっかなびっくりの隊員たち。
さあ、どこでエンジンがかかるのか!
エンジンは、、、やっぱり生き物を捕まえた途端、かかりました!
アクセルはローからいきなりフルスロットルへ!!!!
「あっ! なんかいたっ!!」
「でっけーーー!」
「ザリガニ! ザリガニ! ザリガニ〜!」
一方、博士チームは下流の樋門付近のポイントへ。
矢作川本流との合流部からガサガサポイントへ登っていきます。
下流部は両岸に植生が多く、探検ムードを盛り上げます。
お父さん、お母さんも大張り切り! 子どもたちに負けじとタモ網を振るいます。頑張って〜! (^ ^)
一通り探検を終え、ペットボトルを回収して獲れた生き物を持って本部テントに帰還。
獲った生き物の自慢話で大賑わい! 生き物を水槽に入れると即席の岩本川水族館の出来上がり。首尾は上々のようですね。
獲った魚を持ち帰って飼育してみたい人〜、と聞いたらほとんどの隊員たちが持ち帰りたいと。お母さんやお父さんは苦笑いでしたけど。(⌒-⌒; )
最後まで責任持って育てること、絶対に放さないこと、それらを注意して持って帰ってもらいました。
どのように育てたらいいか、博士に教えてもらって嬉々として持って帰ります。
獲って、育てることでより深く生き物について、川についてわかるようになりますからね。さらにその先へ興味関心も出てきます。生き物を育てることはもちろん楽しいことばかりではないけれど、子どもの成長に必要なことだと思います
探検で獲った生き物は、皆んなで見るために水槽に入れました。でも子どもたちには「自分で獲った」魚へのこだわりがある。生き物を自分で捕まえたという自信は間違いなく成長の糧になりましょう。お家や学校で「この魚、僕が獲ったんだよ!」と大いに自慢すべきです。
心配された熱中症にもならず、怪我もなく無事に終了することができました。
そして子どもたちの表情を見るに、とても楽しんでくれたのではないかと思います。
自治会の皆様のご助力を得て、とても有意義な「岩本川探検隊」の初探検になりました!!
感謝!!!
「岩本川探検隊」は豊田市河川課、矢作川研究所が実施する「ふるさとの川づくり事業」の一環。堆積した基準値を超える土砂の浚渫がされたあとの川を、地元住民たちの手で再生、多自然化する「小さな自然再生」の取り組みです。
我々ClearWaterProjectは今春、日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)から発行された「小さな自然再生事例集」の編集委員務めた経験等もあり、本事業での再生手法の紹介、住民を巻き込んだ取り組みのお手伝いをさせて頂いています。
例え浚渫後の川をうまく多自然化できたとしても、地元の人たちが継続的に関心・興味を持ち続けなければ意味がありません。地域の川は地元の人たちのうまく関わることによって維持されます。その未来の担い手として子どもの参加は極めて重要です。事業の成否はこの一点にかかっているといっても過言ではないでしょう。
「川は楽しい」という原体験を子どもたちには持ってもらいたい。全てはそこからだと思うのです。
次回の「岩本川 ふるさとの川づくり」は9/26にワークショップを開催。今回の探検隊の成果も踏まえつつ、浚渫後の川づくりのイメージを膨らませる予定です。
伊藤 匠
Category: 環境CDN